NPO法人 片品・山と森の学校

NPO法人片品・山と森の学校は、尾瀬と周辺地域のエコツアーガイドを専門とした、人材育成と地域振興を目的に活動する団体です。

TEL 080-5175-4673


(尾瀬サイト・本部)

群馬県片品村鎌田4090


(苗場サイト) 新潟県南魚沼郡湯沢町三国202 苗場プリンスホテル3号館

尾瀬の紹介
 尾瀬は日本の29番目の国立公園であるだけでなく、国指定の特別天然記念物であり、ラムサール条約登録湿地としても指定され、その自然環境は何重もの保護対策によって守られています。
 かつてはダム開発や観光道路開発といった大規模な開発計画がありましたが、そのたびに市民活動を中心とした反対運動が起こり、原生自然が現在も保たれています。尾瀬はこうした市民運動によって守られてきた歴史を持つため、「日本の自然保護運動の原点」と称されています。

 私たちが楽しくトレッキングする尾瀬がどのようにして守られ、またどんな場所なのかをエコツアーを通じて感じてもらえれば幸いです。

尾瀬の見どころ

会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ)

日本百名山。標高2,133m。
山開き:7月第1土曜日

平成19年8月30日の尾瀬国立公園誕生時に新たに尾瀬に加わった山域。
登山口からいきなりの急登だが、いったん稜線に出るとたおやかな姿となる。各所に小湿原が点在し、周囲の好展望と相まって快適な稜線歩きが約束される。

また湿原には尾瀬でも数少ないハクサンコザクラが群生しており、遠くから登山者を引きつけてやまない。

大津岐峠から見た会津駒ヶ岳

大津岐峠から見た会津駒ヶ岳

会津駒ヶ岳

田代山(たしろやま)

花の百名山。標高1,926m。
山開き:6月第2日曜日

山容がきれいな台形をしており、山頂一帯は湿原になっている。
湿原部分には周回できる木道が敷設されており(反時計回りの一方通行)、ワタスゲやチングルマ、キンコウカの大群生地があるなど、花の百名山であることを感じさせる。

田代山空撮(写真提供:南会津町)

田代山空撮(写真提供:南会津町)

空撮でもわかるとおり、湿原部分には高い木などの周りを遮るものが無いため、湿原の地平線越しに見る周囲の山々のながめは見ていて飽きない。

田代山湿原(奥は会津駒ヶ岳)

田代山湿原(奥は会津駒ヶ岳)

この山は地元(南会津町舘岩地区)にとって「雨乞いの山」であり、日照りが続いて農作物が採れない時には田代山に行き、岩を転がり落としたり池で遊んだりすることで、水の神を怒らせて雨乞いをしたという。

 

田代山

アヤメ平(あやめだいら)

「天上の楽園」、「山上の楽園」と呼ばれるほどに、ここからの展望の良さと高山植物を求めて多くの登山者が訪れている場所。

昭和38年の鳩待峠登山口への車道開通前までは、アヤメ平に近い富士見下登山口が最も利用されていたため、歩道整備が不十分だったアヤメ平に多くの登山者が入り込んだことにより、湿原が著しく荒廃した悲しい歴史を持っている。

しかし昭和41年から群馬県、東京電力などがアヤメ平の復元作業をスタートし、約半世紀の復元作業の結果、かつての姿を取り戻しつつある。

アヤメ平

アヤメ平

アヤメ平にはキンコウカ(ユリ科)が群生するが、春先の芽生えの頃の姿がアヤメのそれとよく似ていることから、かつてここを訪れた代議士が見間違え、誤って命名したことが地名の始まりである。

アヤメ平

ミズバショウ(水芭蕉)

科名:サトイモ科
花期:5月中旬~6月下旬
高さ:20~50cm
分布:湿原、流水のあるところによく見られる。

変わった形をした花が人々の興味を引く尾瀬の代名詞。
植物学的には、白い部分は花びらではなく、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼び、葉の変化したもの。棒状の黄色い部分は小さなツブツブの花が多数集まったもので、肉穂花序(にくすいかじょ)とよばれる。

ミズバショウ

ミズバショウ

ミズバショウ群落(尾瀬ヶ原・中田代)

ミズバショウ群落(尾瀬ヶ原・中田代)

 

帝釈山(たいしゃくさん、ていしゃくさん)

日本二百名山。標高2,060m。
山開き:「オサバグサ祭り」と呼ばれるイベント形式で開催。
6月第2土曜日~第4日曜日(2013年シーズンは6月8日~23日)

山頂には大きな標識が置かれているだけで、尾瀬方面の展望もわずかしかない山だが、本州東北部の中央分水界(日本の太平洋と日本海とを分ける境界)の中央にそびえ、鬼怒川・片品川・伊南川の3つの水源が集まる古くからの交通の要衝であった。

帝釈山

帝釈山

会津駒ヶ岳や田代山と同様に、平成19年8月30日の尾瀬国立公園誕生時に尾瀬に新たに加わった山域の一つだが、帝釈山麓にはオサバグサ(ケシ科、またはオサバグサ科)の大群生地があることから、近年多くの登山者が一目見ようと訪れている。

オサバグサ(帝釈山麓)

オサバグサ(帝釈山麓)

 

帝釈山

草紅葉(くさもみじ)

9月下旬頃になると湿原の植物たちが紅葉し、湿原全体が茶色や黄色、オレンジ色へと色づく現象を『草紅葉(くさもみじ)』と言います。
色々な植物たちがいっせいに色づいているため、特定の植物をさした言葉ではない。

霜の降りた草紅葉の湿原に朝陽が差し込んだ瞬間や、夕暮れ時の斜光が当たった瞬間などは色合いが一層増して見える。

草紅葉(大江湿原)

草紅葉(大江湿原)

三条ノ滝(さんじょうのたき)

尾瀬ヶ原の北東部に位置する日本百名瀑。
尾瀬の雪解け水や雨のすべてがここに集まって流れ落ちているため、6月上旬頃の三条ノ滝は水量が非常に多く、その地響きが遠く展望台まで響きます。

名前の由来としては、渇水期に滝の流れが三筋に見えることや、正確な測量技術が無かった頃にその落差を「三十丈(さんじゅうじょう)=約90m」と見積もったことと謂われていますが、現在では航空写真からの正確な測量によって落差78mだということが分かっています。

三条ノ滝

三条ノ滝

三条ノ滝

尾瀬ヶ原(おぜがはら)

尾瀬ヶ原は本州最大の湿原で、東西(写真の手前から奥)約6km、南北約2kmにわたり、その面積は760haという広さを持ちます。トレッキングシーズンは5月中旬~10月中旬ですが、四季折々の貴重な湿原植物が咲きほこり、まさに「花の楽園」となります。

至仏山から見下ろした尾瀬ヶ原

至仏山から見下ろした尾瀬ヶ原

湿原は寒冷・多湿の環境下で、枯れた植物たちが土に分解されず泥炭(でいたん)となって積み重なり、成立しています。これまでの地質調査結果から、尾瀬ヶ原には約6mの泥炭が積み重なっており、8,000年程前から形成され始めたことがわかっています。

昔の日本の多雪地域には必ずと言っていいほど湿原がありましたが、高度成長期に大半の湿原が宅地開発されて激減しました。都心部に近い尾瀬ヶ原がこうした開発の波をかいくぐり、原生の姿をそのまま残していることこそが貴重だと言えます。

尾瀬ヶ原

尾瀬沼(おぜぬま)

尾瀬沼は標高約1,665mに位置する高山湖です。
深さは最も深い所で約10m、広さは1周約8km(徒歩約2.5時間)です。

燧ヶ岳から見下ろした尾瀬沼

燧ヶ岳から見下ろした尾瀬沼

しばしば湖面にイワナやドジョウの姿を見つけることができますが、昭和初期には漁業(養殖)が行われていたため、その頃から放流されたきたヤマメ、ヒメマス、ギンブナなども見つけることができます。

尾瀬沼の水は沼尻(写真右側)から尾瀬ヶ原へと流れ下り、尾瀬ヶ原を蛇行しながら只見川となって日本海へ向かいます。また三平下(写真中央奥)には水門とトンネルが掘られており、ここから片品川へと発電用に取水されています。

至仏山(しぶつさん)

日本百名山。
標高2,228mで、語呂合わせで「ふーふーふー(222)、やっと(8)登った至仏山」 とすると覚えやすい。
山開き:7月1日

中腹から上は、蛇紋岩(じゃもんがん)と呼ばれる岩が露出しており、この岩が多量のマグネシウムイオンを含んでいるため、植物が育ちにくい環境を作っている。このため高い樹々は中腹までしか生えることができず、ここから上では蛇紋岩の環境に適応した珍しい高山植物が生育している。
都心部から『ぎりぎり日帰り圏内』で、標高が2,000mとそれほど高くないわりに、珍しい高山植物のお花畑を見ることができるので、尾瀬で最も人気の高い山である。

尾瀬ヶ原から見た至仏山

尾瀬ヶ原から見た至仏山

この山が成立した年代は2億年以上前ととても古く、山肌には多量の雪によって斜面が凹状に削り取られた雪食凹地(せつしょくおうち)が見られ、ここにお花畑が生育している。
尾瀬の中でもこれほど長い時間をかけて成立した自然は珍しく、尾瀬ヶ原とともに至仏山は尾瀬を代表する希少な自然だと言える。

至仏山