NPO法人 片品・山と森の学校

NPO法人片品・山と森の学校は、尾瀬と周辺地域のエコツアーガイドを専門とした、人材育成と地域振興を目的に活動する団体です。

TEL 080-5175-4673


(尾瀬サイト・本部)

群馬県片品村鎌田4090


(苗場サイト) 新潟県南魚沼郡湯沢町三国202 苗場プリンスホテル3号館

THE OZE JOURNAL No.1 絶対はずさない! ミズバショウの見ごろ見極め!

THE OZE JOURNAL No.1 絶対はずさない! ミズバショウの見ごろ見極め!

THE OZE JOURNAL No.1
絶対はずさない! ミズバショウの見ごろ見極め!

過去に類を見ないほど寒かった大型連休も、ここ数日の高温で尾瀬ヶ原の残雪はいっきに雪解けしている。今年も多くの登山者が上の写真のようなミズバショウを夢見て入山してくることだろう。しかしこのミズバショウの見ごろとはいつなのだろうか? 長きにわたって尾瀬の情報発信をつとめてきた当NPOチーフインタープリターの安類智仁がその疑問に答えた。

NPO – いよいよ尾瀬ヶ原の雪解けが進んできましたね。2週間前にここでネイチャースキーハイキングをしたのがウソのようです。で、頭を切り換えてグリーンシーズンの尾瀬を紹介していきたいのですが、まずは尾瀬の代名詞とも言うべきミズバショウ。今回はこの見ごろの見極め方を追求していこうと考えています。

安類 – ミズバショウはサトイモ科の多年草で、冬は地中のイモの部分だけ残って過ごしている。実際、寿命がどれくらいなのか分かっていない不思議な植物ですね。地上部分は秋になると枯れていまいますが、その時に次の年の新芽も作っておき、冬を越しています。

NPO – わざわざ何でそんな事をするんでしょうか?

安類 – こればかりはミズバショウに聞かないと分からないけど(笑)、ミズバショウは雪解け直後に尾瀬のどの植物よりも早く花を咲かせるという戦略を立てているみたいですね。残雪の中のミズバショウの芽は雪解けを間際から成長をはじめているので、地面が見えたと同時に開花してます。過去にミズバショウを見に来た方であれば、この時期はミズバショウ以外にあまり開花している植物がない事が分かると思います。

NPO – たしかに。しかし、このミズバショウの特性は見ごろ見極めと、どう関係してくるのでしょうか?

安類 – つまりミズバショウの見ごろは、雪解け後の気温の変化よりも、雪解けして地面が見えた日がいつだったかが直接影響していると考えられます。面白い例として、川の流れの中にミズバショウが咲いているのを見つけることがありますが、これは雪解けが進む前にある程度開花の準備が出来ていて、地面が見えたと同時に一気に開花、その後に雪解け水で増水して水中で開花したように見えているんですよ。

NPO – なるほど。となると、尾瀬のどこかで積雪深を測定していて、それを参考にすればいいということですか?

安類 – その通りだと思うけど、残念ながら私もそこまで指標が作られていない。仮に地点Aの積雪深が0cmになった日から10日後が尾瀬ヶ原のミズバショウの見ごろ、とできれば今日ここでサクッとお答えできたんですが・・・。

NPO – 正確に○○日後! と言えなくても、それに近い指標はないでしょうか?

安類 – 指標として大事なことは、「里からでも毎日チェックできるもの」だと思います。毎日現地のビジターセンターに電話で確認していたら、ビジターセンター職員もまいっちゃいますからね(笑)。となると使えるのがネットで見られるライブカメラの映像か、ふもとから見える尾瀬の一部分ということになると思います。ライブカメラを指標にできれば多くの人に役立ちますが・・・私もそこまでデータ整理ができていません。

NPO – ふもとから見える風景ではどうでしょうか?

安類 – 経験的なものですが、片品村役場から見えるアヤメ平の稜線の残雪を参考にしています。この場所は大量の雪が積もっているのですが、ここの雪が無くなる頃が尾瀬ヶ原・中田代のミズバショウの見ごろと同じです。

片品村役場から見たアヤメ平稜線(2013年2月28日撮影)

片品村役場から見たアヤメ平稜線(2013年2月28日撮影)

同上(2010年5月25日撮影) ※この2日後に尾瀬ヶ原・中田代のミズバショウが見ごろとなった。

同上(2010年5月25日撮影)
※この2日後に尾瀬ヶ原・中田代のミズバショウが見ごろとなった。

NPO – ん~、この場所は役場前というわかりやすさはありますが、地元以外の方は手軽に確認はできませんね。

安類 – 確かに(涙)。NPOで毎日撮影してブログアップするってのはどうですか?

NPO – ・・・・・・・。

安類 – そうしたら今年は私が試験的に撮影することにします。他にもライブカメラとの関係性も調べたいしね。

NPO – (話を元にもどして)このほかに指標はあるんでしょうか?

安類 – 雪解けに開花期が左右されているミズバショウですが、雪解けの遅い場所では見ごろがずっと遅れるという性格もあります。先ほどから話題にあがっている、尾瀬ヶ原・中田代のミズバショウ群生地は尾瀬で最も早く雪解けし、最も早くミズバショウが見ごろを迎える所です。この日から2~3日後に竜宮十字路南の湿原と、東電尾瀬橋付近の湿原が見ごろとなり、10日後に尾瀬沼の大江湿原と釜ッ堀湿原、尾瀬ヶ原の研究見本園のミズバショウが見ごろを迎えます。

NPO – なるほど~これは分かりやすい。

安類 – 中田代のミズバショウ群生地は有名なポイントなので、尾瀬関連のウェブサイトや登山者のブログにもライブ的にアップされると思います。記事を読んで見ごろを逸したと思わずに、場所をかえればピンポイントでミズバショウのお花畑を見つけることができますよ。

NPO – 雪解け一番に咲き、開花期が長~いミズバショウだからこその話でしたね。

interview:Shioda Masakazu
photo:Tomohito Anrui
date:2013.5.13

 

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です