尾瀬ヶ原の北東部に位置する日本百名瀑。
尾瀬の雪解け水や雨のすべてがここに集まって流れ落ちているため、6月上旬頃の三条ノ滝は水量が非常に多く、その地響きが遠く展望台まで響きます。
名前の由来としては、渇水期に滝の流れが三筋に見えることや、正確な測量技術が無かった頃にその落差を「三十丈(さんじゅうじょう)=約90m」と見積もったことと謂われていますが、現在では航空写真からの正確な測量によって落差78mだということが分かっています。
TEL 080-5175-4673
群馬県片品村鎌田4090
(苗場サイト) 新潟県南魚沼郡湯沢町三国202 苗場プリンスホテル3号館
「天上の楽園」、「山上の楽園」と呼ばれるほどに、ここからの展望の良さと高山植物を求めて多くの登山者が訪れている場所。
昭和38年の鳩待峠登山口への車道開通前までは、アヤメ平に近い富士見下登山口が最も利用されていたため、歩道整備が不十分だったアヤメ平に多くの登山者が入り込んだことにより、湿原が著しく荒廃した悲しい歴史を持っている。
しかし昭和41年から群馬県、東京電力などがアヤメ平の復元作業をスタートし、約半世紀の復元作業の結果、かつての姿を取り戻しつつある。
アヤメ平にはキンコウカ(ユリ科)が群生するが、春先の芽生えの頃の姿がアヤメのそれとよく似ていることから、かつてここを訪れた代議士が見間違え、誤って命名したことが地名の始まりである。
日本二百名山。標高2,060m。
山開き:「オサバグサ祭り」と呼ばれるイベント形式で開催。
6月第2土曜日~第4日曜日(2013年シーズンは6月8日~23日)
山頂には大きな標識が置かれているだけで、尾瀬方面の展望もわずかしかない山だが、本州東北部の中央分水界(日本の太平洋と日本海とを分ける境界)の中央にそびえ、鬼怒川・片品川・伊南川の3つの水源が集まる古くからの交通の要衝であった。
会津駒ヶ岳や田代山と同様に、平成19年8月30日の尾瀬国立公園誕生時に尾瀬に新たに加わった山域の一つだが、帝釈山麓にはオサバグサ(ケシ科、またはオサバグサ科)の大群生地があることから、近年多くの登山者が一目見ようと訪れている。
花の百名山。標高1,926m。
山開き:6月第2日曜日
山容がきれいな台形をしており、山頂一帯は湿原になっている。
湿原部分には周回できる木道が敷設されており(反時計回りの一方通行)、ワタスゲやチングルマ、キンコウカの大群生地があるなど、花の百名山であることを感じさせる。
空撮でもわかるとおり、湿原部分には高い木などの周りを遮るものが無いため、湿原の地平線越しに見る周囲の山々のながめは見ていて飽きない。
この山は地元(南会津町舘岩地区)にとって「雨乞いの山」であり、日照りが続いて農作物が採れない時には田代山に行き、岩を転がり落としたり池で遊んだりすることで、水の神を怒らせて雨乞いをしたという。
科名:ユリ科
花期:7月中旬~下旬
高さ:50~80cm
分布:湿原、川沿いのやや乾いた所で多く見られる。
ミズバショウとともに尾瀬を代表する花。
ニッコウキスゲの開花時間は約1日と非常に短命だが、1つの株には5~10個ほどの花芽をつけ、開花時期に1個ずつ順番に咲かせることから、株全体での開花期は1週間前後となる。
湿原を埋め尽くすニッコウキスゲの黄色の絨毯は尾瀬でも一級品の景色だが、そのお花畑の見頃は上のような理由から10日前後と非常に短い。また、花芽を付ける6月下旬頃は遅霜の影響を受けやすく、近年ではニホンジカによる食害の影響も大きいことから、一面のお花畑を見るためには何度も尾瀬に通う必要があるだろう。
日本百名山。
標高2,228mで、語呂合わせで「ふーふーふー(222)、やっと(8)登った至仏山」 とすると覚えやすい。
山開き:7月1日
中腹から上は、蛇紋岩(じゃもんがん)と呼ばれる岩が露出しており、この岩が多量のマグネシウムイオンを含んでいるため、植物が育ちにくい環境を作っている。このため高い樹々は中腹までしか生えることができず、ここから上では蛇紋岩の環境に適応した珍しい高山植物が生育している。
都心部から『ぎりぎり日帰り圏内』で、標高が2,000mとそれほど高くないわりに、珍しい高山植物のお花畑を見ることができるので、尾瀬で最も人気の高い山である。
この山が成立した年代は2億年以上前ととても古く、山肌には多量の雪によって斜面が凹状に削り取られた雪食凹地(せつしょくおうち)が見られ、ここにお花畑が生育している。
尾瀬の中でもこれほど長い時間をかけて成立した自然は珍しく、尾瀬ヶ原とともに至仏山は尾瀬を代表する希少な自然だと言える。